この記事では、一人暮らしの快適な生活に不可欠な「収納」に焦点を当て、必要な収納面積の目安から、物件選びのポイント、そして狭い部屋でもスッキリと暮らすための具体的な収納術までを網羅的に解説します。
「一人暮らしを始めるけど、部屋の広さってどれくらいあればいいんだろう？」
そう考えたとき、多くの人がまず気にするのが「広さ」や「家賃」でしょう。しかし、実際に暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔する原因の多くは、実は「収納」の少なさです。
荷物が床に散乱し、生活スペースが圧迫され、せっかくの一人暮らしが快適とは言えないものになってしまう。そんな事態を避けるためには、物件選びの段階から「収納」について真剣に考える必要があります。
この記事では、これから一人暮らしを始める方、または現在の部屋の収納に悩んでいる方に向けて、快適に暮らすために必要な収納面積の目安から、物件選びのポイント、そして具体的な収納術までを徹底的に解説します。
私は物が多いので、収納面積は１２％ほどの部屋に住んでいます。いつかは断捨離・・・。
目次
1. 快適な一人暮らしに必要な「収納面積」の目安とは？
「収納面積」と聞いても、具体的なイメージが湧きにくいかもしれません。そこで、まずは一人暮らしの一般的な荷物を想定し、どれくらいの収納スペースが必要なのかを考えてみましょう。
一般的に、一人暮らしに必要な収納の目安は、床面積の8〜10%と言われています。例えば、25㎡の部屋なら、2.0〜2.5㎡程度の収納スペースが理想的です。ただし、これはあくまで目安。持ち物の量やライフスタイルによって、必要な収納面積は大きく変わります。
荷物の量とライフスタイル別の目安
- ミニマリスト（荷物が少ない方）：
- 目安：床面積の5〜7%程度
- 必要最低限の服や日用品だけで生活するミニマリストの方は、備え付けのクローゼットや押し入れだけで十分なケースが多いです。物を増やさない工夫をすれば、収納家具を置く必要もなく、部屋を広く使えます。
- 一般的な方（平均的な荷物）：
- 目安：床面積の8〜10%程度
- 衣類、趣味の道具、季節家電など、平均的な荷物を持つ方はこの目安を参考にしましょう。備え付けの収納に加えて、カラーボックスやラックなどを活用して収納スペースを確保するのが現実的です。
- 物が多い方（趣味の道具、洋服が多い方）：
- 目安：床面積の10%以上
- ファッションが好きで洋服がたくさんある、収集癖がある、趣味の道具が多い、という方は、この目安を大きく超える収納スペースが必要になります。物件選びの段階で、「ウォークインクローゼット」や「大きな押し入れ」がある物件を最優先で探しましょう。収納家具を置くこと前提で部屋を探すことも重要です。
間取り別の収納スペースの傾向
- ワンルーム、1K：
- クローゼットや押し入れが一つだけ、という物件がほとんどです。収納が少ないため、後から収納家具を買い足すことが前提になります。物件によっては、備え付けの収納が全くないケースもあるため注意が必要です。
- 1DK、1LDK：
- ワンルームや1Kに比べて収納が充実していることが多いです。特に1LDKは、ウォークインクローゼットが付いている物件も多く、荷物が多い方でも安心して暮らせる可能性が高いです。
2. 物件選びで失敗しないための「収納」チェックポイント
理想の部屋を見つけるためには、内見の際に「収納」を徹底的にチェックすることが不可欠です。広さやデザインだけでなく、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- クローゼットの大きさ、奥行き、パイプの高さ
- 見た目の広さだけでなく、奥行きが重要です。奥行きが浅いと、ハンガーにかけた服が扉に当たり、服にシワがついたり、扉が閉まらなくなったりします。また、奥行きが60cm以上あると、市販の収納ケースがぴったり収まります。
- パイプの高さもチェックポイントです。パイプの位置が高すぎると、小柄な方はハンガーをかけるのが大変です。また、パイプの下にどのくらいのスペースがあるか確認し、そこに引き出し式の収納ケースを置けるかイメージしておきましょう。逆に低すぎてコートが擦ってしまうことも考えられますね。
- 押し入れやシューズボックスの有無と大きさ
- 和室がある物件は押し入れが付いていることが多く、布団や季節家電など、かさばる物を収納するのに非常に便利です。
- シューズボックスも要チェック。靴の数に比べて小さすぎると、靴が玄関に散乱することになりかねません。家族構成だけでなく、自分の靴の数を把握し、それがすべて収まるかを確認しましょう。
- デッドスペースの活用度
- 物件によっては、洗濯機置き場の上や、キッチン、トイレなど、意外な場所に棚が設置されていることがあります。こうした「デッドスペース」が有効活用されているかどうかも、チェックポイントの一つです。
3. 狭い部屋でもOK！収納を増やすための具体的なアイデア
「収納が少ない部屋に住んでいるけど、どうにかしたい」と考えている方のために、狭い部屋でも収納を増やすための具体的なアイデアを紹介します。
- 収納家具の選び方（高さ、奥行き、素材）
- 高さ：背の高い収納家具は圧迫感を感じさせますが、その分収納力は抜群です。天井までのスペースを有効活用できます。逆に、背の低い家具は圧迫感が少なく、部屋が広く見えます。
- 奥行き：部屋の広さや通路を考慮して選びましょう。特に通路に置く場合は、奥行きが浅い家具を選ぶことで、動線を確保できます。
- 素材：明るい色の家具は部屋を広く見せる効果があります。一方で、ダークカラーの家具は重厚感と安定感を与えます。
- 壁面収納や吊り下げ収納の活用
- 「壁」は、収納を増やすための最高のデッドスペースです。突っ張り棒や壁に穴を開けずに使えるフックなどを活用し、バッグや帽子、コートなどを吊り下げて収納しましょう。
- 賃貸でも使える「ディアウォール」や「ラブリコ」といったDIYアイテムを使えば、壁一面を収納スペースに変えることも可能です。
- ベッド下やソファ下など、隠れたスペースの活用
- ベッド下のスペースは、収納ケースを置くのにぴったりです。オフシーズンの衣類や使わない家電などをしまっておけば、部屋がスッキリします。
- ソファの下も同様です。市販の収納ボックスやキャスター付きの収納ケースを活用して、雑誌やブランケットなどを収納しましょう。
4. 【ケーススタディ】ライフスタイル別おすすめ収納術
ここでは、あなたのライフスタイルに合わせた具体的な収納術をいくつかご紹介します。
- 洋服が多い方：ハンガー収納と衣装ケースの使い分け
- 毎日のように着る服はハンガーにかけて「見せる収納」に。これなら着たい服がすぐに取り出せます。
- シーズンオフの服や下着、靴下などは衣装ケースに畳んで「隠す収納」にしましょう。衣装ケースは半透明や不透明なものを選ぶと、ごちゃごちゃした印象になりません。
- 趣味の道具が多い方：見せる収納と隠す収納
- 本やフィギュアなど、「見せる」ことでモチベーションが上がるものは、オープンラックや飾り棚に収納しましょう。
- 工具やゲームソフトなど、生活感が出てしまいがちなものは、扉付きの収納やカラーボックスに布をかけて「隠す」収納がおすすめです。
- 料理好きの方：キッチンの収納テクニック
- キッチンのシンク下やコンロ下は、突っ張り棒やコの字ラックを活用してスペースを立体的に使いましょう。
- 調味料や調理器具は、マグネット付きの収納ケースを使って壁面に収納することで、調理スペースを広く使えます。
【おまけ】部屋の中に置かなければいいのでは！
ここまで散々お部屋の収納の目安や収納術を紹介しましたが、高頻度で使わないものを部屋に置いておくのは無意味ではないですか？
以下のページでも紹介しましたが、トランクルームや宅配型トランクルームの使用を検討するのも一つの方法です。
空調完備された保管状況なら、しばらくは着ない冬物のコートや、捨てるまでではない過去の卒業アルバムなどで場所を確保しておく必要はありません。
5. まとめ：あなたの理想の部屋は「収納」で決まる
一人暮らしを始める際、「収納」を軽視してしまうと、せっかくの新しい生活がストレスの多いものになってしまうかもしれません。しかし、今回ご紹介したように、事前に必要な収納面積を把握し、物件選びの段階でしっかりとチェックすることで、そうした失敗は防げます。
また、もし今住んでいる部屋の収納に悩んでいても、収納術を工夫することで、部屋は劇的にスッキリさせることが可能です。
あなたのライフスタイルに合わせた収納術を見つけ、理想の部屋で快適な一人暮らしを送ってください。
