人生最大の買い物と言われる不動産の購入というイベント。
そうはいっても誰しも「少しでも安く!少しでもお得に!でも後悔はしたくない!!」と思っていることでしょう。
しかし、不動産購入は一般の方は何度も経験することではなく、専門知識も必要で、正直いまいち分からない・・・となっている方が多いことでしょう。
そこで今回は、不動産購入で失敗しないために、全体的な流れをご紹介します。これを読めば、あなたもきっと不動産購入の達人になれるはずです。
気になる物件を紹介している不動産屋さんに一任してしまうという方もとても多いです。しっかり勉強して、安心して取引に進んでもらえれば幸いです。
不動産購入時のステップ
土地や戸建てといった不動産の購入にあたり、簡単な流れをまとめさせてもらいます。
①資金計画
②物件探し
③契約
④引き渡し
①資金計画
不動産を購入するには、当然過去に使ったことのない金額が必要となります。
現金一括という人もたまにいますが、ほとんどの人は住宅ローンを使われることでしょう。
一般的には年収の5~7倍程度の金額の住宅ローンを組まれている方が多いです。
そのくらいの金額であれば、銀行の融資審査も通ると考えて頂いても基本的に問題はないことでしょう。
一方、ローンが組めたとしても、毎月の返済額が生活を圧迫しては夢のマイホーム生活に支障が出てしまいます。
不景気が続く昨今、総返済負担率は、年々上昇しており、住宅金融支援機構の提供するフラット35の利用者調査では、2022年度25%以上が46.1%となっており、半数近くの方が毎月25%以上の負担をされているようです。

こちらの記事で依然ご紹介した通り、賃貸住宅の家賃の割合も25%前後をお勧めしていますので、同程度の負担でローンを組まれている方が多いということが分かると思います。
簡単に計算しますと、以下のイメージです。
条件:金利1.6% 返済期間30年
こちらのシミュレーションですと、おおよそ賃貸での負担と同じ程度の負担である方が多いのではないでしょうか。
私は都内での不動産業者経験がないのですが、この金額を考えると単独でローンを組むのはだいぶ厳しい印象がありますよね。
②物件探し
相場観の把握
この期間に一番時間を使うことになると思います。
最初は、athomeやsuumoホームズといった不動産情報サイトでお探しのエリアの相場感や一般的な物件の程度を把握することをおススメします。
新築住宅を考えられている方は、住宅メーカーに足を運び、大まかなプランを考えられたうえで、適切な土地のサイズも気にしながら探す必要が出てきます。
建売住宅であれば、土地の広さは100~120㎡の物件が多い印象がありますが、注文住宅を建てられる場合は、先ほどと同様にフラット35の利用者調査では、土地付き注文住宅融資利用者の全国の敷地面積の中央値は201.6㎡(約61坪)とのことでした。
また、首都圏は149.9㎡(約45坪)ということです。
建物の簡単なイメージをするとすれば、リビング+主寝室+子供部屋2室+和室と想定し、4LDKとすると床面積は100㎡(約30坪)程度となるでしょう。
平屋であっても建蔽率(土地に占める建物の割合)は50%ということで、十分建築可能ではないでしょうか。
資金計画で想定した予算内でどの程度の物件を購入できるか判断し、しっかりと時間をかけて吟味しましょう。
不動産業者と相談
一人で情報サイトで探しているだけでなく、気になった物件を出している不動産屋さんに早めにアポをとることも大切です。
その物件で決める必要はありません。
不動産の取引では、不動産業者が購入者さん売却者さんの媒介人として取引を適切に進めさせていただくのですが、他の不動産業者が紹介している物件をそこではない不動産業者へ相談しても購入を進めることが可能です。
個人的な考えになってしまいますが、購入者さんにとっては、売却者さんの媒介をしている不動産業者に頼むことのメリットは正直ないのではと思っています。
いろいろな業者さんと話していて、両手取引(購入者さんと売却者さんの両方の媒介をしての取引)であっても、手数料を割り引くというような業者さんはほぼいないと感じています。
残念ながら私が働いていた会社であっても、そこで割引は社内規則でできませんでした。
ですので、購入したい物件を募集している業者さんにこだわる必要はないといってもいいかもしれません。
では、なぜ早く業者と相談をするべきかというと、正直不動産営業マンも千差万別です。
同じ会社であっても、いろいろな人がいます。
③契約
さて、やっと物件が決まったところで、無事に契約締結へと進みます。
住宅ローンを使用される場合は、物件が決まったタイミングで仮審査をし、問題がないことを確認します。
居住中の中古住宅でなければ、売主さんと初めて会うのはこのタイミングという方が多いです。
契約は不動産業者の事務所で行うことが多いです。
手付金は、売買代金の5~10%程度が一般的です。
印紙代は売買代金によって変わりますが、軽減税率が適用され、1~3万円という方が多いでしょう。売買契約書に貼付する必要があります。
仲介手数料は契約時と引き渡し時の2分割を現金で支払うのが一般的です。
少なくともこれらの金額を準備する必要があります。
建設費用もローンの場合は、完成までの支払いをつなぎ融資として金融機関から融資を受ける場合もあると思います。すべての金融機関でつなぎ融資があるというわけではありませんので、事前に金融機関と十分にご相談ください。
④引き渡し
今更ですが、今回は土地や中古住宅を前提にご説明しています。
注文住宅の建物の引き渡しについては私は未経験のため適当なことが説明できませんのでお許しください。
契約から2~3か月が一般的です。
それまでの期間何をするかというと、必要書類の準備・現地の立ち合い確認や、保険の解約や加入手続きといった、名義を買えるうえで必要な準備を行います。
もちろん法律で決まっているわけではありませんので、両者が納得の上であれば、この期間は変更可能です。
過去私があったのは、定年退職後に都心から離れる予定にされていたご家族で、当然契約後引き渡しはそのあとでないといけませんでしたが、事前に売却準備を進め内覧の対応もしていただけていた方でしたが、契約後半年後のお引渡しでした。
購入者さんも急いでいないという条件が必要ではあったため、なかなか売りずらい物件ではありましたが、無事に良い方たちを繋げることが出来て安心しました。
逆に短くというと、トラブルが起こる原因にもなりますし、銀行の融資も本審査から2週間は必要です。1か月後に引き渡しというのはなかなか忙しく動く必要が出てくることでしょう。
決済時は不動産登記申請を行う関係で、購入者も実印などの準備も必要になりますのでご注意ください。
特に、住民票を忘れて来られる方が何人もいらっしゃいました。
最近はコンビニで申請できるようにもなってきて、その場で何とかなることもありますが、できない自治体の時に、住民票を取りに行くと銀行が閉まってしまい融資が実行できないため、最悪の場合は決済延期となる場合も・・・。
必ず嫌というほど確認をし、書類関係は事前に不動産業者へも見てもらうといいでしょう。
住民票などの行政書類は、ローンなどでも何度も必要になります。物件の購入が決まったタイミングである程度の枚数を準備しておくといいでしょう。
発行から3か月以内である必要がありますので、引き渡しまで相当の期間が見込まれる場合は、必要枚数をしっかり確認するとよいでしょう。
⑤その後
さあ、これで土地や住宅はあなたのものです。
土地であれば、これから新築工事に移りますし、中古住宅であっても、多少のリフォームをされて住まれることでしょう。
建売住宅であれば、引っ越しの準備を本腰入れてしていく必要がありますね。
新生活まであと少し!気を抜かず頑張りましょう

まとめ
今回は、不動産(土地・建物)の購入時の大まかな流れをご紹介しました。
多くの人にとっては何度も経験することではなく、何をすればいいのかわからない状況と思います。
このような記事を書きはしましたが、不動産業者としては事前にしっかり頭に入れてきて欲しいという要望は全くありません。わからないものと思って、しっかり丁寧にサポートさせていただきますのでご安心ください。
しかし、大まかに分かっているだけで、今後のスケジュール感などストレスなく話が入ることでしょう。
この記事で、皆さまの不安を少しでも解消できたのであれば幸いです。